−映像作品紹介−

 ここではヴァイオリンが参加したヴィデオ、DVDなどを紹介します。但し、ヴィデオはヨーロッパでは 画像方式が異なること、逆にDVDではアメリカ、カナダと方式が異なるため、その国では発売されているが入手困難、 もしくは視聴困難なものも多いのが現実です。(DVDの登場でヨーロッパのものは大分改善されましたが)というわけでどれだけ フォローできているか相当心もとないですが、まあ手元にあるものをちょっと紹介してみようと思います。

今回は、「Stephan Grappelli/A Life in the Jazz Century」「Jean Luc Ponty/IN CONCERT」「Billy Cobham's Glassmenagerie/Same title」 「STEVE MORSE/Sects,Dregs & Rock'n'Roll」「LOSALIOS/Aurora Madturn」を追加しました。(2005年5月15日)

JAZZ編

Stephane Grappelli/Live in San Francisco
1982年のカリフォルニアとサンフランシスコでのライブを収録したビデオ。 いかにもアメリカという感じの屋外コンサート会場を舞台にI Got Rhythmで幕を開けるがこれがいきなり速い速い(笑) 、絶好調である。編成はギター2本、ベースとシンプルだが、まあ本当にとどまることのないプレイに思わず笑みがこぼれること請け合い。 また2曲でピアノもプレイしているがこれまた見事な腕前でびっくり。またサンフランシスコでのライブではBarcus Berryの青のエレアコを 使ってビートルズナンバーを演奏するシーンもあり驚き。とは言ってもいつものGrappelli節になるのだが。 ちなみに最後の1曲ではDavid Grisman、Darol Angerのゲスト参加もあり。とまあいろいろあるがとりあえずすばらしいの一言。 うーん一度は生で見たかったなあ。
(2004.9.4アップ)

Stephane Grappelli/A Life in the Jazz Century
Grappelliの人生を本人のインタビューと数々の貴重な演奏の映像でつづるドキュメンタリー作品。元々イギリスのBBCで放送されたものが ベースになっているようだが、とにかく本人自らが語る様々な逸話や数々の名演が素晴らしい。戦争を逃れてイギリスに渡った話や、 アメリカの若手ミュージシャンによって世界へと旅発っていく話など、単にgrappelli個人の伝記というだけでも圧倒的な スケールを感じるが、それだけでなくそんな彼を通じて20世紀のポピュラー音楽史、さらには20世紀の歴史そのものをも 感じ取ることができます。それにしてもDjango Reirhertとのバンドの映像が見れるなんて・・・。他にも69年にBBCで放送された テレビ番組でのTeddy Wilsonとのライブや同じくBBCの番組からのクラシックヴァイオリンの名手YEHDI MENUHINとのDUOでの演奏など 素晴らしい演奏が目白押し。できれば、これらのライブがドキュメントの挿入という形ではなく独立した形でみれると尚 ありがたかったのですが、まずはこんな素晴らしい映像の数々を見ることができるということだけで感謝。
(2005.5.15追加)

Jean Luc Ponty/IN CONCERT
2004年に発売された公式ライブDVDで1999年のポーランドで行われたJAZZ FESでのライブを収録したもの。 これはまさに素晴らしいの一言。個人的にはPONTYのスタジオアルバムは端正でまとまっているものの、こぎれいすぎていまいち のめりこめない印象があったのですが、このライブは別物。70年代の「ENIGMATIC OCEAN」、80年代の「Rythms of Hope」「Jig」「Open Mind」、 90年代の「Caracas」ととにかくベスト選曲でポップな代表曲を気持ちよさそうに弾きまくる姿は圧巻である。特にアルバムでは 打ち込みだった「Open Mind」のバンド編成での演奏は見違えるような素晴らしいでき。画質、音質も素晴らしく、初心者にもマニアにも お薦めの1本です。
(2005.5.15追加)

Billy Cobham's Glassmenagerie/Same title
Miles Davis BandやMAHAVISHNU ORCHESTRAでの演奏、スペクトラムなどのソロアルバムなどで知られる名ドラマーBilly Cobhamの リーダーバンドのスタジオライブ作品。このバンドには名ジャズヴァイオリン二ストMichal Urbaniakが参加。残念ながら10曲中7曲では サックスを弾いておりヴァイオリンを手にするのは3曲のみなのだが、ここでのURBANIAKの演奏はまさに見事。 特に2曲目「A.L.D.L」でのソロが素晴らしくテンポを落としてスイング感たっぷりにソロを取り始めだんだんとテンポを上げて 最後は高速でアグレッシブに弾きまくる様はジャズヴァイオリンを象徴するような名演なので、ジャズバイオリンを目指す人は是非観賞して お手本にして欲しい。4曲目ではミディアムテンポで弾きまくり、7曲目では叙情的な楽曲もよく彼のピチカートプレイも冴えます。 ちなみに使っているバイオリンは白のエレアコでおそらくバーカスベリー(fホールを白いテープでふさいでいるのは 余計な生音を出さないためだろうか?)。とにかくお勧めの1本なのではあるのだが、ただ1点、服装のかっこ悪さだけは なんとかならなかったのだろうか・・・。
(2005.5.15追加)


TRAD・EASY LISTNEINGなどなど編

Astor Piazzolla/Plays The Tango〜Utrecht1984〜
Piazzollaは大分前にNHKで放送された芸術劇場「ピアソラのすべて」を録画したので、まあ無理して手を出さなくてもいいかと思っていたのだが、収録曲を見て思わず買ってしまったのがこのビデオ。1984年10月にオランダ・ユレヒトで行われた5重奏団のコンサートを収録。30分という収録時間の短さ、テレビ用ということで音声がモノラルなどの弱点はあるものの、ミケランジェロ70やエスクアロ、フラカナパなど個人的にお気に入りでもあるヴァイオリンが主旋律をとって活躍する曲が多く収録されタンゴヴァイオリンならではの独特のテクニックを存分に確認することができる。ちなみにPiazzollaはこのビデオ以外にも数本、日本発売されています。
(2004.9.4アップ)

ゲールフォース〜アイリッシュミュージックフェスティバル
97年9月にダブリンで行われたアイルランドのミュージックフェスティバルを収録した映像作品、アイルランド音楽を代表する様々なミュージシャンの姿を拝めるすばらしいビデオだがこのページに関して見た場合、Chieftans、De Dannan、Altanなどのアイリッシュを代表とするフィドル入り名グループに混ざって、Leahy、Ashray MacIsacの映像が貴重だろう。LeahyはChieftansの紹介で登場、彼らをバックにファーストアルバム冒頭のD Medleyを演奏、フィドル3本にマンドリン、ピアノ、ベース、ドラムという分厚い編成でのその激しい演奏で客席を引き込み、最後は兄弟そろってのタップダンスで会場の喝采を浴びている。一方のAshrayはエレクトリック編成での演奏ではなく、フィドル一本での登場。少々小汚い服装はご愛嬌だが、足を肩まであげるくらい激しいダンスをしながら、サウスポーでアグレッシブにリールを弾きまくる姿は強烈で、カナディアンアイリッシュの存在感をアピールしている。
(2004.12.13追加)


ROCK編

Fairport Convention/LIVE LEGENDS
1990年のFairportのライブビデオ。1985年に再結成「Gladys'Leap」などを発表した編成でのライブで古参のSimon Nicol、Dave Pegg、 Dave MattacksにfiddleでRic Sundersが参加している。前半はこの時期のアルバムからNicolの歌を中心に聞かせる内容。Ric作曲の美しいバラードPORTMEIRIONの演奏もあるが、アグレッシブな本来の彼のFiddleは押さえ気味。しかし後半のアイリッシュジグから彼らの代表曲Matty Groves、Ric作曲のアップテンポなダンスチューンというメドレーで一気に爆発。ZETAの黒のエレクトリックを弾き倒すさまは圧巻。トラッドを題材としているがあくまで彼らの音楽として完成されていることをまざまざと見せ付けられる。いやあ本当にかっこいいわ、これ。お奨めです。最近DVDにもなっているので入手しやすいはず。
(2004.9.4アップ)

ビートクラブ〜黄金のロック伝説VOL7 プログレの先駆者たち
このビデオは70年代のドイツの音楽番組ビートクラブに登場したロックバンドの映像を編集したオムニバスビデオのプログレッシブロック編だが、 ELP、YESなどとともにヴァイオリンとしてDavid Crossが在籍していた時期のKING CRIMSONの映像を収録。「太陽と戦慄パート1」を 演奏しているのだが、音だけでは確認できない各メンバーの様子や表情が確認できるのがうれしい。暴れ回るパーカッショニストの ジェイミー・ミューアを見ながら演奏するDavid Crossは本当に楽しそうだ。カメラがCrossを捉えている時間が長いことから、 当時このメンバーの中で彼が注目される存在だったことがうかがえる。このビデオは現在はおそらく廃盤。DVD化希望。
(2004.9.4アップ)

Curved Air/Masters from The Vaults
去年発売されたこのDVDは1972年のスタジオライブの映像を収録したものでDarryl Way、Francis Monkmanが在籍した3rdファンタスマゴリア当時のもの。収録時間は30分でテレビ用のスタジオライブ映像。サイケデリックのつもりなのか時々差し込まれる、鷹やゴリラなどの映像がうっとうしいが彼らの動く姿が見られるというだけでとりあえず貴重。ヴァイオリンのDarryl Wayがヴァイオリンを弾いていないときはエレピも担当していること(それでも手持ち無沙汰っぽい瞬間があったりするが)やFrancis Monkmanがギターを相当激しく弾いている様子などが確認できる。スタジオアルバムではどちらかというと神経質な印象強い彼らだが、このライブではバタバタした派手なドラミング、ディストーションで歪ませたギターの音などアグレッシブで攻撃的な姿を見せているのが新鮮。Darryl Wayについては厳しいことを書いたが、ここでの「Vivaldi」を演奏する姿は素直にかっこいい。
(2004.9.4アップ)

Roxy Music/Live at The Apollo
グラムロックから世界的なバンドへと登り詰めたBryan Ferry率いるROXY MUSICが2001年に再結成した際のライブ、70年代中盤の編成ではキーボード兼ヴァイオリンとしてEddie Jobsonが参加していたが、この再編ではサポートメンバーとしてLucy Wilkinsという女性がキーボード兼ヴァイオリンとして参加。メインは当然キーボードだがイーノの代役として嬉々として発信音を鳴らす一方で4曲でエレクトリックヴァイオリンを披露。うち名曲「Out Of The Blue」の後半部でのエレクトリックヴァイオリンの天かけるようなソロ、アルバム「AVALON」収録のインスト「TARA」でのAndy Mackayのソプラノサックスとの美しいDUOは聞きもの。ちなみに彼女のヴァイオリンはZETAの4弦エレクトリックメイプル柄。ライブ自体も1st〜ラストアルバムから満遍ないベスト選曲、ベストライブなので興味のある人は是非どうぞ。
(2004.9.4アップ)

HAWKWIND/LIVE
どうもバンド当事者の預かり知らぬところで権利の隙間をついてライブビデオを発売しているのではないか? というばったものくささの漂うClassic Rock Legendsシリーズ。その1本として発売されたHAWKWINDのライブ。90年代のライブだが70年代にメンバーだったヴァイオリンのSimon Houseが参加していて白衣姿の怪しいいでたちで登場。全編で浮遊感漂うリバーブの効いたヴァイオリンを弾きまくっていてこれがじつにすばらしい。HAWKSのストレートなロックが彼のヴァイオリンによって一気にトリップ感漂う世界に変貌している。ちなみにヴァイオリンはアコースティックにピックアップをとりつけたもの。彼のプレイ以外にも水着のお姉ちゃんが出てきたり、ダンサーがKISSさながらに火を吹いたりして、素人目にも大いに楽しめます。ということでHAWKSに興味ない人も是非。
(2004.9.4アップ)

Marcus Viana/Transfonica Orkestra
Sagradのリーダーでヴァイオリン二ストのMarcus Vianaのニューエイジミュージック的な作品群を演奏するためのプロジェクトを 収めたライブDVD、彼はSagradでロックを演奏する一方、ブラジルでは映画音楽やテレビドキュメンタリーの音楽の作曲家として有名で そちらの顔での作品。全体としてはエレクトリック編成ではあるもののドラムではなくティンパニと、オーケストラという言葉の方がしっくり来る編成でドキュメンタリーのオープニングにでもかかりそうな壮大な楽曲を聞かせる。彼自身も舞台の真ん中でヴァイオリンを演奏、もちろん早弾きのような場面はなく朗々と音色を響かせている。ヴァイオリンはいつもの飄々とした音なのでてっきりエレクトリックかと思ったが実はアコースティックにピックアップをつけたものだったのはちょっと驚き。
(2004.9.4アップ)

PFM/LIVE IN JAPAN 2002
70年代に活躍したイタリアのプログレバンドPFMが再結成し来日した際のライブを完全収録したDVD。70年代の代表曲が目白押し。 初期の代表曲でありながら世界進出以後あまり演奏されていなかった名曲「ハンスの馬車」で幕を開けるのがまずうれしいが以後も名曲の オンパレードで仕事で見にいけなかったのが本当に悔やまれる。その全盛期時代はMauro Paganiがヴァイオリンを担当していたが 今回は後期のメンバーだったLucio FAbbriがヴァイオリン二ストとして参加。スタジオ作以上の存在感でヴァイオリンを響かせている。 ヴァイオリンソロからウイリアムテル序曲でのソロ演奏も圧巻で実は彼らの作品の中で一番ヴァイオリンをフューチャーしているのが この作品と言えるかもしれない。というわけでPFMファンだけでなくヴァイオリン入りプログレとりあえず何か聞いてみようかという人にも 薦められる内容。ちなみに彼が使っている赤いエレクトリックヴァイオリンはヤマハのサイレントヴァイオリン発展型のエレクトリックタイプに見えるがどうだろうか。
(2004.9.4アップ)

Peter Gabriel/Secret World Live
言わずと知れたPETER GABRIELのライブ。そのライブにあのインド人ヴァイオリン二ストSHANKARがダブルネックヴァイオリンを持って参加していると聴いて思わず買ったのがこのDVD。うーん失敗でした。確かに参加していて噂のダブルネックも持ってるんだけど本当に一瞬しかヴァイオリン弾くシーンがない。手持ち無沙汰にコーラスしているシーンとかが多くて一体なんのためにこの人いるんだろう?って思わず問い掛けてしまいたくなりました。確かに独特の音を出してたんだけどね、本当に一瞬なんだもの。ほんとにがっかり。ちなみにPeter Gabrielなら「V」が好きなんでこのDVDの選曲もいまいちぴんと来ないなあ。
(2004.9.4アップ)
(2004.12.13追加)

Jethro Tull/SLIPSTREAM
Ian Andersonをリーダーに60年代末から現在まで活動を続けるブリティッシュロックバンドJethro Tull、その音楽性はハードロックとトラッドとブルースを混ぜたような独自なものでさらにリーダーIan Andersonのつばが飛び散るかのようなアグレッシブなフルートと、フルートを振り回したりするいい意味で下世話なステージパフォーマンスがその個性を際立たせている。そんな彼らのライブとプロモーション映像で構成された作品がこれ。この作品が発表された80年当時、バンドはキーボード兼ヴァイオリン担当でUKなどで知られるEddie Jobsonがスペシャルゲスト参加していて、ライブ映像でヒゲ面親父たちに混ざって大活躍している。メインはキーボードだが、彼らの代表曲である「Heavy Horses」、「Aqualung」、「Locomotive Breath」などではヴァイオリンもプレイ、ステージ中央でスケルトンのヴァイオリンを弾きまくる姿は素直にかっこいい。ちにみに現在この作品はCD「A」とのカップリングDVDとして邦盤で発売されているので容易に入手できます。
(2004.12.13追加)

GONGMAISON/Live at The Fridge London
ロックバンドフランス編でも紹介しているGONGの関連バンドGONGMAISONの91年のライブを収録した作品。60年代末からフランスを中心に活動するGONGは奇人Deavid Allenのユーモラスでとぼけたキャラを中心とした何ともへんてこなスペースサイケデリックジャズロックともいう感じのバンドだが(ちなみに彼のいない時期はテクニカルフュージョンだったりもする)、そんな彼が80年代後半にアコースティック主体の編成で活動していた時に名乗っていたのがGONGMAISON。この編成が次第にロック化して再度GONG名義でアルバムを発表することになるのだが、このライブはその直前の時期のもの。全編ドラム、ベース入りで、演奏曲も含めもうほとんどGONGと言ってもよい内容。Deavidは頭にパラソルつけて走り回ったり、覆面レスラーのようなマスクをかぶってでてきたりとお馬鹿の限りを尽くしているが、それは置いてもポップでかつひねくれた楽曲は強力。さてこのページ向きの話で言うとこの時期の編成ではヴァイオリンのGraham Clarkが、Deavidと並びステージのフロントで活躍。アコースティックにピックアップをつけた無骨なヴァイオリンでSAXと並んでソロをとっている。ただ演奏自体はポジションの割りに地味な感じもして、結局彼がエレクトリックGONG編成になって1作で姿を消したのもわかる気がします。
(2004.12.13追加)

STEVE MORSE/Sects,Dregs & Rock'n'Roll
Dixie Dregs〜KANSAS〜Deep Purpleという華々しい経歴の持ち主で人気の高いロックギターリストのDVDで、Dxie Dregsのライブと STEVE MORESE BANDのライブが収録されている。そのうちDixie Dregsの方にヴァイオリンのJerry Goodmanが参加しているということで購入したのだが、 うーん、ちょっとこれはどうなんでしょうか。OFFICIAL Bootregという表示されているとおり、画質が悪く、しかもカメラの スイッチングが最悪。それぞれのメンバーがソロを取っているときに、ソロをとっている人を映さずにリズムキープしている人ばかり カメラを向けていて非常にストレスがたまります。Jerry Goodmanのヴァイオリンが聞こえるのに映っているのはずっと STEVE MORSEだったりするし、やっとJERRYが映ったと思ったらもうソロ終わって休んでたりしてるし。音自体もアメリカンなロックで ヴァイオリンがあまり合っていると思えないし、JERRY GOODMANの演奏もソツはないけど花もない、という感じ。 見てくれも太ったオッサンだし。アルバムを聴いて感じた器用貧乏な印象はやはりぬぐえません。もちろんSTEVE MORSEファンには いい作品なのでしょうがヴァイオリンを期待して購入するのはお勧めできません。
(2005.5.15追加)

日本編

坂本龍一/Ryuichi Sakamoto Trio World Tour 1996
「1996」編成でのライブを115分の完全収録。ほとんどが1996収録曲ということで当然名曲ぞろい、アルバムとほぼ変わらない見事な演奏を繰り広げる。当時このライブをインターネット配信したこともあり、コンピューター上に映し出されるライブの様子がさしはさまれていたりする。坂本龍一はTANGOではボーカルも披露。アンコールではYMOの東風を演奏、これが意外にもヴァイオリンにマッチしてすばらしい演奏になっている。ピアノの最低音でリフを弾いた瞬間、会場に歓声があがり会場の盛り上がりを感じることができる。
(2004.9.4アップ)

ZABADAK/noren wake
現在は、ギター兼ボーカルの吉良知彦を中心に活動、叙情的な楽曲で一部に人気の高いユニットZabadak、そのZABADAKがまだ吉良さんとボーカル兼キーボードなど担当の上野洋子とのDuo編成だった時代最後のライブを収録した作品がこれ。アルバムはあくまで2人を中心としていたが実際のライブでは、ベースにAdiなどの渡辺等、ヴァイオリンに太田恵資、ドラムに外山明などなどの凄腕をそろえ(仙波清彦もゲスト参加)叙情的な楽曲、ポップな楽曲を取り揃え充実した演奏を行っている。スタジオアルバムではヴァイオリンはそれほど参加していないが、ライブでは太田恵資氏が全面参加、個性的な風貌で存在感を発揮、楽曲においても深みを加えている。個人的にはスタジオ盤ではほとんど打ち込みだった「Unreasonable Egg」のバンド編成での演奏でメロディをとる部分や、「砂煙の街」「五つの橋」「Easy Going」など元々アコースティック色濃い楽曲での激しい演奏、「アジアの花」でのバッキングなどが印象的。ちなみにLDは曲数多いようですが未見です。それにしても個人的な話ですが去年限定で発売されたDVDボックス入手し損ねたのは痛い。金子飛鳥ゲスト参加の映像などもはいっていたらしいのですが・・・。
(2004.12.13追加)

LOSALIOS/Aurora Madturn
元Branky Jet Cityのドラマー中村達也をリーダーにギター、ベースという3ピースバンドのライブDVD。スタジオアルバムでは 多様なミュージシャンがゲスト参加し、即興を重視したヘビーなロックインストを展開しているがこのライブではヴァイオリンの 金子飛鳥が11曲中6曲と全面的にゲスト参加。ゲストとは思えぬフューチャー度でディストーションを利かしまくったヘビーな ヴァイオリンを弾きまくっている。最近の彼女自身のソロがアコースティック系中心なだけに、久しぶりに彼女ならではの アグレッシブなロックバイオリンが堪能できる素晴らしい作品。激しいドラムに、アグレッシブにビートを刻むベース、歪むギター。 激しくも複雑で内向的な楽曲。そんな中で逆光をバックに体をゆらしながらスタインバーガー製の ネックのみのヴァイオリンを弾きまくる姿はまさに圧巻です。楽曲がヘビーなので若干趣味を分けますが1st「MULTI VENUS」期の 彼女が好きな人はとにかく必携の1本です。
(2005.5.15追加)

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